シルクロード・ライブ   第1回 国際シンポジウム
 2005.07.02   場所:東京・於玉稲荷神社 ・・・前編(シンポジウム)

 2004年5月、晩春、国際学術会議のパネリストとしてソウルを訪れた三田徳明主席は、同じくパネリストとして招かれていた中国芸術研究院の王克芬老師に出会った。
 敦煌壁画舞踊をはじめ、アジアの古典舞踊研究の大家である。
 中国では既に失われた唐楽を伝承する日本雅楽に対して、老師は予てより大きな興味を持っておいでで、同年秋に三田主席が「蘭陵王シンポジウム」のため訪中すると北京で再会。老師邸でさらに親交を深める。
 シルクロード舞踊の話は尽きることなく、瞬く間に時が過ぎてしまったという。
 翌2005年正月 瑞穂雅樂會はVideo Onlineworkshop と Polycom Beijing の協力を得、TV会議システムで東京=北京を結び、Online で中国芸術研究院のスタッフと新春レクチャーコンサートを共有した。
 そして7月、老師と主席が三度語らう場は東京・於玉稲荷神社=瑞穂雅樂會本部でのシンポジウムとなる。
 この日のために、韓国からはKBSテレビの取材クルーも来日した。(この日の取材は後日韓国で放送された。)
 かくして日本・中国・韓国の人々が東京で一堂に会し、古代の三国に共通する古典舞踊を考えるという、画期的なイベントが実現することとなる。

パネリストの王克芬老師(中)と安倍季昌先生(右)。
三田主席がモデレーターを務める。

中国での伝統を取り巻く現状、日本型伝承の優位性、舞踊の普遍性・・・さまざまに話題は膨らむ。
和やかに、有意義に、話は弾む!
数時間では全く時間が足りない・・・。

この上なく贅沢なひとときだった。

第1部「パネルトーク」

■はじめに「王 克芬 先生をお招きして」三田徳明

■招待講演「敦煌壁画に見るアジアの舞踊史」王克芬

■パネルディスカッション
    「歴史で何が失われ、何が残ってゆくのか?」
       パネリスト 安倍 季昌(宮内庁楽部楽長補/京都方楽家当主)
               王  克芬(中国芸術研究院)
       モデレータ 三田 徳明(学習院大学)

実際の動作を紹介しながら敦煌の壁画舞踊の動きを解説してゆく王克芬老師。
韓国では既に、日中韓の枠組みで宮廷舞踊のシンポジウムが実施されている。
高名な王先生の、これが初来日であることを、私たちは恥じねばならないであろう。

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